料理、食べ歩き、旅行、車大好き夫婦ののんきな休日の紹介です


by motoretta
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フランス・パリ旅行2日目 その③

またまた「ヴェネツィアの巨匠たち」ルーヴル展の続きです。

"Entre sacré et profane"のコーナー。
聖書に出てくる食卓の場面です。

ティツィアーノの<エマオの晩餐>。
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遠景の青空と緑の山々が落ち着いた感じを与えてくれます。
動きも穏やか。

暗い中に、円形にうごめく群像、
よりドラマティックなティントレットの<最後の晩餐>。
フランス・パリ旅行2日目 その③_c0190847_22252170.jpg

縦長に配したテーブルにより奥行き感が強調されています。

明るい色調の、ヴェロネーゼ<エマオの晩餐>は、
フランス・パリ旅行2日目 その③_c0190847_22254622.jpg

絵のパトロンとなった人物も描かれており、
聖なる場面が、記念写真のようになっています。

"Nocturnes sacrés"(聖なる夜想曲?)のコーナーには、
劇的な明暗で描かれた聖者「聖ヒエロニムス」の姿を見比べることができました。

ティントレットの<聖ヒエロニムス>。
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ヴェロネーゼの<聖ヒエロニムス>。
フランス・パリ旅行2日目 その③_c0190847_22264767.jpg


でも、この中で一番高い精神性を感じさせてくれたのは、
ティツィアーノです。
フランス・パリ旅行2日目 その③_c0190847_22271898.jpg

荒々しいタッチで描かれた聖人が、十字架を見ながら自らの肉体を傷つけ、
キリストに近づこうと希求する姿が伝わってきます。

"L’art en personnes"のコーナー。
芸術家たちの肖像画が並んでいます。

ティツィアーノの<自画像>に、
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ティントレットの<自画像>。
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ヴェロネーゼ<アレッサンドロ・ヴィットーリアの肖像>。
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暗い背景に黒い衣装の人物像ですが、三者三様少しずつ違う感じがします。

"La femme désirée "
(望まれる/陵辱される女性)のコーナー。
古代神話の場面にかこつけて描かれた、女性の裸体画が並んでいます。

以前、ある講演会で聞いた
「レイプの表象は西洋美術史のすべてを通じて夥しい数にのぼり、
これを除いては美術史を語ることはできない。」
という言葉を思い出しました。

ティツィアーノ<ルクレティアの陵辱>。
フランス・パリ旅行2日目 その③_c0190847_2223339.jpg

荒々しい暴力的な場面。
貞淑を守ろうとする古代ローマの女性ルクレティアの生々しい視線。

ちなみに、ルクレティアの夫が、妻亡き後、暴君をローマから追い払い
共和制ローマが誕生したそうです。

ティントレットの同題<タルクィニウスとルクレティア>。
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肉体の表現がティツィアーノとは違い、筋肉の動きが感じられます。

ヴェロネーゼ<アンドロメダを救い出すペルセウス>。
フランス・パリ旅行2日目 その③_c0190847_22234533.jpg

これまた、衣と白い肌が色鮮やかです。

最後はティツィアーノの<ダナエ>でお別れ。
プラド美術館版です。
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ダナエの白い肉体が、老婆の黒いゴツゴツした体に引き立てられることで、
より官能的に表現されています。
by motoretta | 2010-02-08 23:21 | フランス