料理、食べ歩き、旅行、車大好き夫婦ののんきな休日の紹介です


by motoretta
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アルプスの画家 セガンティーニ —光と山— 展

「アルプスの画家」として知られるイタリア19世紀の画家ジョヴァンニ・セガンティーニ展。
琵琶湖近くの佐川美術館で開かれていました。
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入口近くで目を引いたのは
MART(イタリア北部のトレント・ロヴェレート近現代美術館)からの<鐘つき番>。
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画中にランプの光源が描かれているものの
カラヴァッジョの後期作品を感じさせる色調と明暗表現です。
トレンティーノ・アルト・アディジェ出身のセガンティーニは
幼少の頃両親をなくし、その後ミラノのブレラ美術学校の夜学校で学んだそうです。
ブレラ美術館のマンテーニャ<死せるキリスト>によく似た作品もありました。

国立西洋美術館からの<羊の繊毛>。
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セガンティーニは、羊飼いや羊の群れといったキリスト教的なモチーフを多く描きました。

<羊たちへの祝福>という、より宗教色の強い作品もあります。
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イタリアからスイスアルプスへと居を移した後、
ミラノの画商ヴィットーレ・グルビチの勧めもあって
混色せずに原色に近い色彩を細い線で置いていく分割主義へと画風が変わっていきます。

<森からの帰途>は、雪山の中、薪を載せた重いそりを引く農婦を描いた作品。
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「自然」と「生死」を象徴しているようにも感じられました。

アルプスの澄んだ空気と光を描いた代表作、<アルプスの真昼>(セガンティーニ美術館)。
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アルプスの岩肌と草が覆った地面の感じがよく現れています。

参考までに、こちらは大原美術館の<アルプスの真昼>。
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児島虎次郎が三度目の渡欧の際
「セガンティーニは、ミレーよりも一段上であるかと思います。」
と言って購入してきたものです。

<水を飲む茶色い雌牛>。
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「イタリアのミレー」とも呼ばれるセガンティーニは、農場で働く人たちも数多く描きました。
これは<日陰の憩い>。
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柵の手前に区切られた緑草の空間に農婦が横たわっています。

さらにアルプス高地へと移り住んだセガンティーニは象徴主義的傾向を強めて行きます。
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<虚栄>は、服を脱いだ少女を写し出す水面に邪悪な蛇が姿を現したもの。

そして、1899年アルプス三部作の中央部<自然>を製作中、
41歳の若さで亡くなりました。

荻原守衛は1909(明治42)年、
「イタリーのセカンデーの如きはミレーと同様で、アルプスの山中を生涯写生して歩いて遂に其の山で死んだが、彼の画も悉く一種の説教である。」
と評しています。

※セガンティーニ展@佐川美術館は、8月21日(日)終了しました。
9月3日(土)から静岡市美術館で引き続き開催されます。

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by motoretta | 2011-08-25 23:59 | アート