料理、食べ歩き、旅行、車大好き夫婦ののんきな休日の紹介です


by motoretta
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2010年イタリア旅行4日目④ヴァチカン博物館のそのまた続き

いよいよラファエッロの「署名の間」です。

ギリシア的理想とキリスト教的精神との調和を目ざした教皇ユリウス2世が
人間精神の根本をなす真・善・美に対する新プラトン主義の思想を賞揚するための図象プログラムを
ラファエッロに命じて描かせた部屋です。

<アテネの学堂>はラファエッロがはじめて大壁画に描いたフレスコ画。
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自然の真理のシンボルで、上部には哲学の擬人像が描かれています。
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中央でイデアが存在する天を指差すプラトン(レオナルド・ダ・ヴィンチの容貌で描かれた)と
実践的精神を象徴する地を指差すソクラテスが議論を交わしながらこちらへ歩み寄ってきます。

手前の階段にはミケランジェロ(当時システィーナ礼拝堂天井画作成中)の姿で描かれた哲学者ヘラクレイトス。
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ブラマンテの姿で描かれた数学者ユークリッド。
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弟子たちに幾何学の定理を教えています。

さらに右、王冠を被り地球儀を手に持つ地理学者プトレマイオス。
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その傍らでこちらに視線を向けている若者がラファエッロ自身と言われています。

この絵をしばらく眺めていると、
古代の賢人たちの議論に囲まれて、何だか頭が良くなったような気になりました。

そして啓示された真理、神学に対応する<聖体の論議>。
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壇上の聖体のパンを中心に地上の神学者や教父たちが議論しており、
さらに上の浮かんだ雲には、天使に囲まれた中に、聖霊の象徴の鳩が
その上にはキリストを中心に旧約・新約聖書の聖者たちが
最上部の黄金の粒の中に観想化された父なる神が描かれています。
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近づいてこの絵を眺めていると、三位一体の観念とヒエラルキーが
図象によって理屈ではなく直感的・感覚的に受け入れられることを実感しました。

右側にはシクストゥス4世の後ろに
当時は神学者と見なされていたダンテも描かれています。
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黒いフードを被って真正面にこちらを向いているサヴァナローラも見られます。

そして美のイデアを表す<パルナッソス>。
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リラを弾くアポロンの周りに9人のミューズたち、
さらに外側にはボッカチオ、ペトラルカ、サッフォーなどの詩人が描かれています。

スタンツェの最後の部屋は「ボルゴの火災の間」。
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<ボルゴの火災>は847年にヴァチカン近くで起きた火災を、
法王レオ4世がヴェチカン宮殿からの祝福によって鎮火した、という奇跡を
弟子のジュリオ・ロマーノが中心となって描いたもの。

左端の老人を背負い逃れる男性の姿は、
トロイア陥落により
父アンキセスを背負い、幼いアスカニオスの手を引いて
燃える都から脱出したアイネイアスの神話に着想を得たそうです。

中央右、祝福を授けるレオ4世の後ろには、
旧サン・ピエトロ聖堂のファサードが見られます。
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オスマントルコ帝国への対抗を表した<オスティアの戦い>は、
849年にレオ4世がサラセン人と戦った史実を基にしたもの。
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左端レオ4世の姿が壁画制作当時の教皇レオ10世の容貌で描かれています。

フラ・アンジェリコの壁画があるニコリーナ礼拝堂は見ることはできず、
ウルバヌス8世の礼拝堂から
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ボルジアの間を通って
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数々の華麗な装飾画と
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宗教コレクションを見ながら、
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ヴァチカン宮殿を後にしました。
by motoretta | 2011-10-30 20:57 | イタリア