2010年イタリア旅行4日目⑤ヴァチカン絵画館
2011年 11月 12日
やっとのことでヴァチカン絵画館に到着。
第一室にはイコンが沢山並べられています。
2mもあろうかと思われる大きな板絵の<最後の審判>は中世12世紀の作品。
Nicolaus と Johannesの署名があるそうです。
最上段はケルビムに囲まれたキリスト。
上から4段目は死からの再生を
最下段左は天上のエルサレムを、右は地獄を現しています。
この時代の「最後の審判」は、
ルネサンス期のシスティーナ礼拝堂壁画やオルヴィエート大聖堂ファサードのように
おどろおどろしい化け物が跋扈する激しい表現ではなかったことが分かります。
ヴィターレ・ダ・ボローニャ<聖母子>。
その名の通りボローニャ派の画家。
代表作<竜と戦う聖ゲオルギウス>はボローニャ国立絵画館にあります。
第2室の、ジョットと彼の工房の手による<ステファネスキ多翼祭壇画>。
旧サン・ピエトロ大聖堂の祭壇に置かれたもので、
内陣にいる信徒たちと後陣にいる司祭たち、
どちらも見られるように表裏両面に描かれた多翼祭壇画です。
信徒に向けられた表面。
中央は玉座に座る聖ペテロ、左下で跪いて献堂しているのが
作品の注文主であるステファネスキ枢機卿です。
後陣に向けられた裏面。
中央は玉座に座るキリストと、跪くステファネスキ枢機卿。
左は逆さ十字にかけられた聖ペテロ、
右には首を切られた聖ペテロの殉教の場面が描かれています。
第3室、フラ・アンジェリコ<聖母子と聖ドメニコ、アレクサンドリアの聖カタリナ>。
金地の花模様の背景に紺色のマントを羽織った聖母マリア。
写真では分かりにくいのですが、手には知恵のシンボルである薔薇を持っています。
フィリッポ・リッピの<聖母の戴冠>。
沢山並べられた絵の中で「きれい!」と思って写真に収めるのは
厳格な絵画ではなく、やはり優美な聖母像。
カトリックが奇麗で優しく親しみやすい聖母像を用いた理由が納得できました。
第4室はメロッツォ・ダ・フォルリの部屋。
フレスコ画特有の明るい色彩の美しい人物像が並んでいます。
<リュートを弾く天使>。
<プラティーナに図書館をゆだねるシクストゥス4世>。
メロッツォ・ダ・フォルリは、
ピエロ・デッラ・フランチェスカに影響を受けて遠近法を学んだようです。
第6室、ヴィットーレ・クリヴェッリの<聖母子と四聖人>。
陰鬱な表情の聖母子です。
ヴェネツィア出身、マルケで活躍した兄カルロ・クリヴェッリの<聖母子>。
弟よりは優美な表現ですが、精緻で硬質な印象。
そしてラファエッロの師匠であったペルジーノの<聖母子と諸聖人>。
ウンブリア派らしい牧歌的風景と甘美な聖母像。
次はいよいよ第8室ラファエッロの間。
入口から順に<聖母戴冠>、<キリストの変容>、<フォリーニョの聖母>と並んでいます。
<キリストの変容>はキリストが弟子たちの前で姿を変えた
タボル山山頂での奇跡の場面が描かれたもの。
37歳で夭折したラファエッロの最後の作品です。
上下2段に分かれた複雑な構成です。
指し示す手の動きによって観る者の視点を
群衆から十字架を暗示するように両手を広げた、悪魔に取り憑かれた少年へ、
さらに少年から天に浮かぶキリストと導き、
上下2段をドラマティックに結びつけています。
<聖母戴冠>は師ペルジーノとの類似性が感じられる作品。
ペルージャにあるウンブリア国立美術館所蔵のペルジーノ作
<聖母子と天使、聖フランチェスコ、聖ベルナルディーノ、信心会の会員たち>と
ほとんど同じ構図です。
そして<フォリーニョの聖母>。
フォリーニョに落ちた雷の被害を免れたシジスモンド・デ・コンティが
聖母に感謝するためにラファエッロに注文したもの。
画面中央奥でまさに街に落ちんとしている火の玉が雷を表しています。
跪き聖母に手を合わせているのが注文主のコンティ。
青空に浮かぶ聖母を、天使の姿で描かれた白い雲が取り囲んでいます。
第一室にはイコンが沢山並べられています。
2mもあろうかと思われる大きな板絵の<最後の審判>は中世12世紀の作品。
Nicolaus と Johannesの署名があるそうです。
最上段はケルビムに囲まれたキリスト。
上から4段目は死からの再生を
最下段左は天上のエルサレムを、右は地獄を現しています。
この時代の「最後の審判」は、
ルネサンス期のシスティーナ礼拝堂壁画やオルヴィエート大聖堂ファサードのように
おどろおどろしい化け物が跋扈する激しい表現ではなかったことが分かります。
ヴィターレ・ダ・ボローニャ<聖母子>。
その名の通りボローニャ派の画家。
代表作<竜と戦う聖ゲオルギウス>はボローニャ国立絵画館にあります。
第2室の、ジョットと彼の工房の手による<ステファネスキ多翼祭壇画>。
旧サン・ピエトロ大聖堂の祭壇に置かれたもので、
内陣にいる信徒たちと後陣にいる司祭たち、
どちらも見られるように表裏両面に描かれた多翼祭壇画です。
信徒に向けられた表面。
中央は玉座に座る聖ペテロ、左下で跪いて献堂しているのが
作品の注文主であるステファネスキ枢機卿です。
後陣に向けられた裏面。
中央は玉座に座るキリストと、跪くステファネスキ枢機卿。
左は逆さ十字にかけられた聖ペテロ、
右には首を切られた聖ペテロの殉教の場面が描かれています。
第3室、フラ・アンジェリコ<聖母子と聖ドメニコ、アレクサンドリアの聖カタリナ>。
金地の花模様の背景に紺色のマントを羽織った聖母マリア。
写真では分かりにくいのですが、手には知恵のシンボルである薔薇を持っています。
フィリッポ・リッピの<聖母の戴冠>。
沢山並べられた絵の中で「きれい!」と思って写真に収めるのは
厳格な絵画ではなく、やはり優美な聖母像。
カトリックが奇麗で優しく親しみやすい聖母像を用いた理由が納得できました。
第4室はメロッツォ・ダ・フォルリの部屋。
フレスコ画特有の明るい色彩の美しい人物像が並んでいます。
<リュートを弾く天使>。
<プラティーナに図書館をゆだねるシクストゥス4世>。
メロッツォ・ダ・フォルリは、
ピエロ・デッラ・フランチェスカに影響を受けて遠近法を学んだようです。
第6室、ヴィットーレ・クリヴェッリの<聖母子と四聖人>。
陰鬱な表情の聖母子です。
ヴェネツィア出身、マルケで活躍した兄カルロ・クリヴェッリの<聖母子>。
弟よりは優美な表現ですが、精緻で硬質な印象。
そしてラファエッロの師匠であったペルジーノの<聖母子と諸聖人>。
ウンブリア派らしい牧歌的風景と甘美な聖母像。
次はいよいよ第8室ラファエッロの間。
入口から順に<聖母戴冠>、<キリストの変容>、<フォリーニョの聖母>と並んでいます。
<キリストの変容>はキリストが弟子たちの前で姿を変えた
タボル山山頂での奇跡の場面が描かれたもの。
37歳で夭折したラファエッロの最後の作品です。
上下2段に分かれた複雑な構成です。
指し示す手の動きによって観る者の視点を
群衆から十字架を暗示するように両手を広げた、悪魔に取り憑かれた少年へ、
さらに少年から天に浮かぶキリストと導き、
上下2段をドラマティックに結びつけています。
<聖母戴冠>は師ペルジーノとの類似性が感じられる作品。
ペルージャにあるウンブリア国立美術館所蔵のペルジーノ作
<聖母子と天使、聖フランチェスコ、聖ベルナルディーノ、信心会の会員たち>と
ほとんど同じ構図です。
そして<フォリーニョの聖母>。
フォリーニョに落ちた雷の被害を免れたシジスモンド・デ・コンティが
聖母に感謝するためにラファエッロに注文したもの。
画面中央奥でまさに街に落ちんとしている火の玉が雷を表しています。
跪き聖母に手を合わせているのが注文主のコンティ。
青空に浮かぶ聖母を、天使の姿で描かれた白い雲が取り囲んでいます。
by motoretta
| 2011-11-12 15:04
| イタリア