料理、食べ歩き、旅行、車大好き夫婦ののんきな休日の紹介です


by motoretta
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

マカオ〜東洋と西洋の交差点〜6

丘の上の聖アントニオ教会にやってきました。
c0190847_13264479.jpg

マカオで最初の礼拝堂の跡に1638年に建てられた教会です。
幾度か火災に遭い、現在の聖堂は1930年に建設されたものです。

鐘の音に誘われて鐘楼の中へ入りました。
c0190847_13265341.jpg

クリスマスのミサの真っ最中、
天井の角の穴から下がっているロープを引っ張って
係の女性が、典礼に合わせて鐘を鳴らしているところでした。

その奥の小礼拝堂。
c0190847_13264866.jpg


大三巴街の骨董品通りを歩いて行くと、
聖ポール天主堂跡のファサードが狭間に見えてきました。
c0190847_13273171.jpg

通りの名は「恋愛巷」。
c0190847_13272489.jpg


恋の成就を願う物なのか(単なるイタズラか、罵詈雑言なのか)分かりませんが
壁には落書きがいっぱいです。
c0190847_13272874.jpg


階段を上がると天主堂跡のすぐ脇に出られました。

このお堂は哪吨(ナーチャ)廟。
ナーチャは中国の暴れん坊の子供の神様だそうです。
c0190847_1327445.jpg

左の足場が組んである壁の奥が茨林園。
禁教令で日本に帰国できなくなったキリシタンたちの集落があったところ。
ここにどんな思いで暮らしていたのでしょうか。

日本人が掘ったという伝説の井戸があるそうですが、
現在修復中で中には入られませんでした。 

反対側にはファサードの向こうにグランドリスボアの偉容。
c0190847_13274457.jpg

東洋と西洋、過去と現在の移り変わりが一望できます。

さて聖ポール天主堂跡です。
c0190847_13285747.jpg

16世紀末、イエズス会によって建築されたこの天主堂は、
キリスト教教会として当時アジアで最大のものでした。

ファサードはイタリア人のイエズス会士カルロ・スピノラのもと、
ローマのジェズ聖堂を模して造られ、
本国から追放された日本人キリスト教徒と現地の職人により、
キリスト教の教義を東洋の地で伝えるため、多くの彫刻が施されました。
c0190847_13311690.jpg


最上部のペディメントは、聖霊の階層。
聖霊の象徴である青銅製の鳩の左右に月と太陽があります。

その下は、救い主の階層。
キリスト像の左右に受難の象徴である茨の冠、笞、金槌、釘抜き、長槍、
3本の釘、葦、ローマ帝国の旗、梯子が刻まれています。

3段目は聖母マリアの階層。
玫瑰と百合に縁取られた壁龕の中に被昇天の聖母と周りを囲む天使。
2 体は祈り、2 体は音楽を奏で、2 体は香を振っています。

右には生命の木、 7 つの頭を持つ龍、骸骨。
c0190847_13314182.jpg

龍は徳川家康を表しているという説もあり、
龍の頭を聖母が踏みつけています。
日本から追放されたキリシタンたちはどんな思いでこの像を刻んだのでしょうか。

左には命の泉、 帆船、 女性の肉体をした悪魔。
c0190847_13314498.jpg

柱の影になって見にくいのですが、
悪魔の足下、右側には「鬼是誘人為惡」と刻まれています。
キリスト教教会にあえて中国語を用い、
ヨーロッパの流儀を押し通すのではなく、
現地に合わせて布教しようとする意図が見てとれます。

4段目は、イエズス会の栄光の階層。
イエズス会の聖人像が見られます。
左から順に、福者フランシスコ・ボルジャ、
聖イグナチオ・ロヨラ、
c0190847_13345869.jpg

聖フランシスコ・ザビエル、
c0190847_1335141.jpg

福者アロイシウス・ゴンザーガの4 体です。

また、中央入口の上に「MATER DEI」(神の母)の文字、
台座の左側面には「1602 年マ カオ市によって偉大な聖母に捧げられた」
と書かれた碑文があります。

ファサードは現在、鉄骨によって支えられており
誰でも上ることができます。
c0190847_18415230.jpg


c0190847_13352734.jpg

パネルには、焼け落ちる前の聖堂のプランが説明してありました。

奥に行くと、1990年から95年にかけて
マカオ文化局によって発掘されたクリプタがあり、
c0190847_18413626.jpg

現在は天主教芸術博物館となっており、
所縁の聖遺物などが納められています。

これは、<長崎二十六聖人殉教図>。
c0190847_13433212.jpg

近年修復を受けて蘇ったばかりです。

そして<大天使ミカエル>。
c0190847_13433962.jpg

日本人キリシタン画家、ヤコブ丹羽の手によるもの。
人体の描写には不自然な物を感じますが、陰影の表現はまさしく西洋のもの。
金に縁取られた赤い衣が大きくたなびいて躍動感を与えています。

そして、
イエズス会の神学校コレジオが置かれ、
天正少年使節団の伊東マンショらが神学を学び、
原マルティーノが「聖フランシスコ・ザビエル伝」と「聖イグナチオ伝」を
日本語で出版し、
ルイス・フロイスの「日本史」が保管されたこの地に
イエズス会東インド管区の巡察師アレッサンドロ・ヴァリニャーノ神父の遺骨も安置されています。
c0190847_1842256.jpg


東洋と西洋の出会う地マカオに
東西文明の相互理解を目指したルネサンス人が眠っています。
c0190847_13443889.jpg

by motoretta | 2012-01-07 22:02 | 海外旅行