料理、食べ歩き、旅行、車大好き夫婦ののんきな休日の紹介です


by motoretta
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ローマバロック6 サンタ・マリア・デル・ポポロ

「悪魔の穴開くサンティの土の墓より
 ローマに縦横に現わる神秘の元素
 光の道が敷かれ、聖なる試練あり
 気高き探求に天使の導きあらん」

というガリレオの暗号で「天国と地獄」の物語は始まります。

そして、科学の四大元素 土、空気、火、水 の中で、
「土」を表す教会として選ばれたのが、
サンタ・マリア・デル・ポポロ。

「天国と地獄」では、ラファエロが天井装飾と彫刻をデザインした
キージ礼拝堂がクローズアップされています。
ちなみにハバククに寄り添う天使は、「南西のサン・ピエトロ広場」ではなく、
はす向かいのダニエルを指差したものです。
二体の彫刻を関連づけることによって、
ベルニーニは堂内に緊迫感をもたらせました。

しかし、より重要なのは内陣左のチェラージ礼拝堂。
バロックの天才、アンニーバレ・カラッチとカラヴァッジョの競作が見られます。

これはアンニーバレ・カラッチの代表作 ファルネーゼ宮殿ガレリアの天井画。
ローマバロック6 サンタ・マリア・デル・ポポロ_c0190847_22341060.jpg


主祭壇画はアンニーバレ・カラッチの<聖母被昇天>。
ローマバロック6 サンタ・マリア・デル・ポポロ_c0190847_22285713.jpg

明るくも落ち着いた色調です。

そして両脇、向かって左が<聖ペテロの殉教>、
右が<聖パオロの回心>です。

先にあったアンニーバレ・カラッチの祭壇画に対抗する為に、
カラヴァッジョが入念に構想を練り上げたことはよく知られています。
これは、<聖パオロの回心>の第1作。
ローマバロック6 サンタ・マリア・デル・ポポロ_c0190847_22293236.jpg


そして、実際に採用された<聖パオロの回心>の第2作。
ローマバロック6 サンタ・マリア・デル・ポポロ_c0190847_22301516.jpg

神からの啓示を受けてキリスト教に回心する場面ですが、
第2作には、神も天使も登場しません。
馬から落ちた男が両手を広げて光を受けているだけで、
劇的な奇跡の進行を表しています。

<聖ペテロの殉教>では、逆さ十字架につけられたペテロが顔を上げています。
ローマバロック6 サンタ・マリア・デル・ポポロ_c0190847_2231592.jpg


映画にも、ほんの数秒ですが画面に登場しましたよ。
by motoretta | 2009-05-18 22:38 | イタリア