ボルゲーゼ美術館展
2009年 11月 15日
昨日、京都国立近代美術館に行ったのは
カラヴァッジョ研究第一人者の宮下規久朗先生の講演を聞くため。
大勢の人がきていましたが、無事整理券を手にすることができました。
ボルゲーゼ美術館のコレクションは
教皇パウルス5世の甥であるボルゲーゼ家の枢機卿シピオーネ・ボルゲーゼが
絶大な権力と富を駆使して収集したもの。
「世界最高の美術館」と評する人もいるようです。
ベルニーニ<シピオーネ・ボルゲーゼの胸像>が、出迎えてくれます。
このシピオーネ・ボルゲーゼは当代きっての大パトロンですが、
相当のやり口で美術品を強奪したそうです。
ベルニーニの彫刻が来日するのは珍しいことです。
これは、<パウルス5世の肖像>
M.プロヴェンツァーレによる、モザイクです。
今回の展覧会は、点数は少ないもののなかなか見応えのある絵が多くきていました。
サヴォルド<若者の肖像>。
賢そうな若者が端正に描かれています。
ズッキ<アメリカ大陸発見の寓意>。
なぜか、珊瑚をまとった原住民。
お猿さんまで真珠を身に着けています。
ミケランジェロそっくりなのは、ティバルディ<幼児礼拝>。
そして、目玉の一つ。
ラファエロの<一角獣を抱く貴婦人>。
レオナルド・ダ・ヴィンチのモナリザの影響も感じられます。
以前はギルランダイオの「アレクサンドリアの聖カタリナ」と考えられていました。
手に持つ車輪は「アレクサンドリアの聖カタリナ」のアトリビュート。
しかし、美術史家のロベルト・ロンギにより不自然な点が見い出され、
X線検査の結果、別の絵が見つかりました。
丁寧な洗浄と修復により処女の持ち物である一角獣が現れました。
聖母の象徴です。
女性の結婚を機に描かれたものであることが分かりました。
まだまだあります。
ボッティチェリの<聖母子、洗礼者ヨハネと天使>。
特有のトンド形式のきれいな色彩です。
伝ソドマと言われるレオナルド<ユダ>のコピー。
ヴェロネーゼ<パドヴァの聖アントニオの説教>。
これもきれいな色彩です。
アンニーバレ・カラッチの<聖フランチェスコ>も小品ですが、心うたれるものがありました。
そして、カヴァリエレ・ダルピーノとパリオーネにはさまれた
カラヴァッジョ<洗礼者ヨハネ>。
カラヴァッジョが逃亡の末、ポルト・エルコレでのたれ死にしたときに遺品として持っていたもの。
「十字架」ではなく「ただの棒」を持ち、「子羊」ではなく「牡羊」であることから、
まだキリストに出会う前で、救済を待っていること暗示しています。
カラヴァッジョの恩赦嘆願のメッセージを表しているそうです。
作品の点数は少なかったですが、
日本にはボルゲーゼ美術館の認知度があまり高くないためか、
混雑もなくなかなか良い展覧会でした。
カラヴァッジョ研究第一人者の宮下規久朗先生の講演を聞くため。
大勢の人がきていましたが、無事整理券を手にすることができました。
ボルゲーゼ美術館のコレクションは
教皇パウルス5世の甥であるボルゲーゼ家の枢機卿シピオーネ・ボルゲーゼが
絶大な権力と富を駆使して収集したもの。
「世界最高の美術館」と評する人もいるようです。
ベルニーニ<シピオーネ・ボルゲーゼの胸像>が、出迎えてくれます。
このシピオーネ・ボルゲーゼは当代きっての大パトロンですが、
相当のやり口で美術品を強奪したそうです。
ベルニーニの彫刻が来日するのは珍しいことです。
これは、<パウルス5世の肖像>
M.プロヴェンツァーレによる、モザイクです。
今回の展覧会は、点数は少ないもののなかなか見応えのある絵が多くきていました。
サヴォルド<若者の肖像>。
賢そうな若者が端正に描かれています。
ズッキ<アメリカ大陸発見の寓意>。
なぜか、珊瑚をまとった原住民。
お猿さんまで真珠を身に着けています。
ミケランジェロそっくりなのは、ティバルディ<幼児礼拝>。
そして、目玉の一つ。
ラファエロの<一角獣を抱く貴婦人>。
レオナルド・ダ・ヴィンチのモナリザの影響も感じられます。
以前はギルランダイオの「アレクサンドリアの聖カタリナ」と考えられていました。
手に持つ車輪は「アレクサンドリアの聖カタリナ」のアトリビュート。
しかし、美術史家のロベルト・ロンギにより不自然な点が見い出され、
X線検査の結果、別の絵が見つかりました。
丁寧な洗浄と修復により処女の持ち物である一角獣が現れました。
聖母の象徴です。
女性の結婚を機に描かれたものであることが分かりました。
まだまだあります。
ボッティチェリの<聖母子、洗礼者ヨハネと天使>。
特有のトンド形式のきれいな色彩です。
伝ソドマと言われるレオナルド<ユダ>のコピー。
ヴェロネーゼ<パドヴァの聖アントニオの説教>。
これもきれいな色彩です。
アンニーバレ・カラッチの<聖フランチェスコ>も小品ですが、心うたれるものがありました。
そして、カヴァリエレ・ダルピーノとパリオーネにはさまれた
カラヴァッジョ<洗礼者ヨハネ>。
カラヴァッジョが逃亡の末、ポルト・エルコレでのたれ死にしたときに遺品として持っていたもの。
「十字架」ではなく「ただの棒」を持ち、「子羊」ではなく「牡羊」であることから、
まだキリストに出会う前で、救済を待っていること暗示しています。
カラヴァッジョの恩赦嘆願のメッセージを表しているそうです。
作品の点数は少なかったですが、
日本にはボルゲーゼ美術館の認知度があまり高くないためか、
混雑もなくなかなか良い展覧会でした。
by motoretta
| 2009-11-15 22:02
| アート