
サン・マルクォーラの乗り場からヴァポレットに乗ります。
朝早くから勤勉に働く人たち。

さすがに北イタリア〜。
営業時間8時半にちょっと遅れた今回のレンタカーはチンクエチェント。

リベルタ橋を渡る電車と競争?と思いきや、

周りの車はみんなゆっくり。
数百メートルおきに取り締まり機があるようです。
本土に入ってからアクセルを踏み込むとメストレの街。

高速A4に乗ってパオヴァへ。
いつの間にかサンタントニオ聖堂。

Garminが苦手な、市内通行止め区域。
ぐるっと回って中心部を目指すものの、なかなか目的地にはたどり着けず、、、
そのうち罰金の請求がくるのかもしれません。
やっとのことで駐車スペースを見つけ、
10分ほど歩いてスクロヴェーニ礼拝堂にたどり着いた、と思いきや
ここも柵に遮られぐるっと一回りして、予約時間きっかりに到着しました。



この小さな礼拝堂(以前は隣に建物が続いていたそうですが)の内部に
ジョットが描いたフレスコ画の小宇宙が見られます。

日本からでもネットで観覧予約できますが、
イタリアらしく一度ですんなりとはいかないようです。
我が家も10回近くチャレンジしてようやく予約することができました。
大塚美術館の陶板画による環境展示も見ましたが、、、
ここに至るまでの行程、
礼拝堂周辺の静かな雰囲気、
南窓からの差し込む太陽の光など、
わずか15分の見学でも、
やっぱりここまで来て、見るべき価値があるように思いました。
「マリアの生涯」と「キリストの生涯」、「最後の審判」をぐるっと見ましたが、
一番魅きつけられたのは<ユダの接吻>。

緊迫の一瞬です。
見逃してはいけないジョヴァンニ・ピサーニの<聖母と天使像>も一通り見て、

アパートに戻ると、無事スーツケースが到着していました。
上着を着込んで再び外出。
ストラーダ・ヌォーヴァを歩くと、カナル・グランデの向こうにカ・ペーザロ。

ヴァポレットに乗って、大運河をあがっていきます。
今はカジノになっているヴェンドラミン・カレルジ宮。

運河の向こうに浮かび上がるサン・スタエ聖堂。

サンタ・ルチア駅のinfoで情報を仕入れ、
ついでにローマ広場のレンタカー会社の場所を確認。
ガラス張りのカラトラーヴァ橋の近くには、
MUJI (無印用品)のお店がありました。
晩ごはんは”Il Paradiso Perduto”へ♪
日本語でいうところの「失楽園」という名のオステリアは、
ミニミニ大作戦2のロケ地にもなったところです。

満員の店内でしたが、
入口脇の最後の1テーブルに座ることができました。
地元のプロセッコ。

前菜、サルデ・イン・サオール。

ここのは少し昆布ダシのような和風な味わいが感じられました。
バッカラ・マンテカート。

あえて小骨の食感を少し残してありました。
パンもシンプルな味わい。

でも素朴な美味しさに、お酒がすすみます。
アーティチョークのニョッキ。

バターのコクとアーティチョークの酸味と甘み。
そして暖かいお皿でほっこりニッコリ。
美味しいお料理とお酒に、陽気な雰囲気。
ジャズステージも開かれるみたいです。
近所にあったら、毎日通っちゃういそうです。
前日の飛行機遅延によりスーツケースが届かなかったため
セーターとベストのみという出で立ちの身には、
いよいよ寒さがつらくなってきました。
洟をすすりながら耐え、やっとこさのヴェネツィア本島。


マドンナ・デッロルトの船着き場で下船。

聖堂の屋根と鐘楼が目印です。
ペロポネソス戦争から逃れてやって来たアラブ商人 マステッリの家、

外壁には東方との商取引をあらわすラクダのブレートが見られます。
そのままマドンナ・デッロルト聖堂へ。
ティントレットの菩提寺でもあるこの聖堂は、15世紀の建立。
近くの畑(=オルト)で聖母マリアの像が発見されたことから
この名で呼ばれるようになったと言われています。
堂内はティントレットの作品が目白押し。

必見は内陣右側の<最後の審判>。

セピア色の大洪水に押しつぶされる人たち。

まさにこの世の終わり。混沌とした世界の終末です。
反対側にも大画面の<黄金の子牛の礼拝>。

身廊右手には<聖母マリアの神殿奉献>があります。

ちょうど下から見上げた角度が中央の階段の傾斜と一致しており、
近づいてずっと見ていると
絵の中の人物と一緒に階段を昇っていくような気がしてきます。
そして内陣右奥に「ティントレットの礼拝堂」。

ティントレットのお墓があります。

身廊左側のコンタリーニ家礼拝堂にもティントレット。

<聖アグネスの奇跡>。
天井の鳩から、青い衣の天使たちがもつ冠、聖アグネスへと光が降り注いでいます。
ティントレット以外のビッグネームも色々あります。
モロシーニ家礼拝堂にはパルマ・イル・ジョーヴァネの<磔刑>。

さらにティツィアーノも。

<トビアスと天使>です。
それから、入ってすぐの右第一礼拝堂に
ジョヴァンニ・ベッリーニの<聖母子>が見られたのですが、
1993年盗難にあって行方不明になりました。
これも、イタリア。
ともあれ、素晴らしい絵画で埋め尽くされた、
まさに美術館のような教会でした。
一般観光ルートからはちょっと外れていますが、是非足を伸ばしてみて下さい。
ヴェネツィア人が最初に島を築いた島トルチェッロ。
最盛の11世紀には人口2万人だった島も、
現在住むのは十人足らず。
ここに残るサンタ・マリア・アッスンタ聖堂は7世紀の創建。

内部の12〜3世紀のモザイク<聖母子>と<最後の審判>を見に
多くの観光客が訪れます。
<聖母子>のモザイク。

聖堂内は写真撮影禁止なので、他所にあったポスターを使いました。
須賀敦子さんも絶賛の聖母は
金色の野に青い衣で凛として立っています。
反対側の聖堂入口の上にあるのが<最後の審判>。
やけに頭の大きい審判者キリストと髑髏の目玉を通り抜けるヘビが厳しく強烈です。
この図象としては最初期のもので、
パドヴァ スクロヴェーニ礼拝堂・オルヴィエート大聖堂・システィーナ礼拝堂へとつながるもの。
写真はありませんが、
拙ブログのライフログにある「ヴェネツィア物語」や「イタリア古寺巡礼ミラノ→ヴェネツィア」などに詳しい写真が掲載されていますので、
良かったらご確認下さい。
モザイクの絵はがきを買い込んでから、隣のサンタ・フォスカ聖堂へ。

ギリシャ十字の集中式プランです。
サンタ・マリア・アッスンタ聖堂とは違ってシンプルな内装です。

帰り道、小雨も止んで青空が見えてきました。

このマメ科の木はなんでしょう?ひょっとしたらイナゴマメ?
ヴァポレットにのってブラーノへ戻ります。

久しぶりのブラーノ島。

以前ブラーノレース(中国製ではありません)を買ったお店も、
綺麗に塗り直されていました。

素晴らしい刺繍が展示されている merletto博物館へ。

2階の明るい窓際では老婦人が糸と針を踊らせていました。
手間隙がかかる作業で後継者が減っていますが、
この貴重な伝統文化が何とか守られていくことを願っています。
そしてブラーノ島のドゥオーモへ。

ティエポロの<磔刑図>が見られます。

島の人たちがつくったプレセピオ。

次の船を待つ間、お菓子屋さんに寄ってみました。

ブラーノ名物のお菓子を買って、ヴェネツィア本島へ向かいました。
その名も「悪魔の橋」。

チヴィダーレ・デイ・フリウリにある
同名の「悪魔の橋」を渡った日、
(突然の腹痛に襲われ、立っていられないほどのたうち苦しみました)
のことを思い出しました。
今回は、旅の安全を祈りながらゆっくりと?渡ってみました。
ちなみに、現在のヴェネツィアで欄干のない橋は
先日紹介したサン・フェリーチェ運河の橋☞と
この悪魔の橋の二つだけです。
奥に見えるのは、
サンタ・マリア・アッスンタ聖堂の修復工事中の鐘楼。
運河の突き当たりにある普通の建物。

これがなんとなんと超高級ホテル&レストラン
ロカンダ・チプリアーニです!
おいそれとは中には入れないので何とも言えませんが
リッチな方々のなさることはよく分からなーい、の世界です。
時間がなくなったので、続きはまた明日とさせて頂きます。
7世紀創建の古い聖堂。
現在の建物は12世紀に立て替えられたものです。
堂内身廊にはモザイクが広がっています。

孔雀のモザイクは「不死」の象徴でしょうか。

他にも様々な寓意を表す生き物が床一面に描かれています。

この聖堂の洗礼盤はガラス細工でつくられたもの。

そしてアプシスには金地に輝く聖母像。

両手を少し持ち上げた聖母が上から見下ろしています。

ファーロ(灯台)の乗り場にて。

ブラーノ島行きのヴァポレット乗り換えに時間があったので、
ガラス屋さんをすこし素見してみました。
ブラーノ島でトルチェッロ行きに乗り換える合間、
船着き場前の揚げ物屋さんに慌てて駆け込み、

待合所で、わずかな時間を利用してお昼ごはん。
アランチーニと

ポテトと、

サンドイッチにビール。

お腹も気持ちも暖かくなって、トルチェッロ島に到着です。


ゆっくり寝坊などしている暇はないのが我が家の旅行。
ムーア人の広場、

ティントレットの菩提寺を足早に通り過ぎ、

墓地の島サン・ミケーレを超え、

ガラスの島ムラーノへ。
まずはサンティ・マリア・エ・ドナート聖堂を目指しました。

二層になった後陣の周歩廊が特徴。

連なったアーチと柱が煉瓦造りの建物を軽やかに見せてくれます。
9時に開くはずがなかなか開かないのがイタリア。
取りあえずあまりに寒いので教会前のバールで体と胃袋を暖めます。

温かいカプチーノとヴェネツィアのお菓子エッセで一息つきました。

エッセはイタリア語のS。その名の通りS字型です。
もう一度教会を見てみたものの未だに開く様子はなく、
前の広場で見つけたトカゲをしばし眺めてから

ガラス博物館へ。
撮影禁止で写真はありませんが、さすがに本場のガラスは違いました。
ムラーノ島の真ん中の運河を渡り、サン・ピエトロ・マルティーレ聖堂を目指します。

聖堂内陣。

祭壇の上にムラーノの大きなガラスのシャンデリア。

ここでの見どころは、何と言ってもベッリーニ。

深紅のカーテンの間に青い衣をまとった聖母が浮かび上がる<バルバリーゴ祭壇画>。
1574年ヴェネツィアのドゥカーレ宮殿が火事に遭い、殆どの絵画が灰燼に帰しましたが、
直前にムラーノ島へ移されたこの絵画は、当時のドージェを描いた貴重なもの。
そのすぐ隣にはティントレットの<キリストの洗礼>。

ティントレットの宗教画にしては色数も多く、明るい印象。
左壁面にはヴェロネーゼの<聖ヒエロニムス>と

<牢獄の聖女アガタ>。

さらにサルヴィアーティの<十字架降下>と

見どころがいっぱい。
教会前のガラスのオブジェを眺め、

運河の橋を渡り、

もう一度先程のサンティ・マリア・エ・ドナート聖堂に向かいました。

路地の奥、突き当たりにあるので
住民の外には誰も入ってこない静かなロケーション。
入口脇のプレート。

部屋の中もシンプルで可愛いです。
そして思ったよりも暖かくゆったり寛げました。
ソファーの上にはお魚の形をしたヴェネツィアの写真。

キッチンもお皿や調味料からパスタまで、
必要なものはほとんど揃えてくれてありました。

シンプル&クリーンな寝室。

大家さんから一通り説明してもらって、
「長旅で疲れたでしょうから」と近くのレストランまでご案内して頂きました。
とっても素敵で感じのいいマダムでした。
ワインはフリウリの白。

汗と疲れが吹き飛びます。
前菜に、海の幸の盛り合わせ。

サーモン・タコ・イワシ・エビ・ムール貝にポレンタ。
お店の人の「魚があるよ」とのおススメ。
タイ?スズキ?と聞かれ、
色々悩んだあげくヒラメのグリルにしたら、コレが大正解???

30センチはあろうかという、
日本では考えられないサイズのヒラメは何と85ユーロ!!!
あまりに大きすぎて半身しか食べられず、ゴメンナサイしました。
値段にもサイズにも目が飛び出しました。
初日から色々とあったヴェネツィア旅行でした。
今まであったきしめんが食べられなくなったので、
やむを得ず牛丼。

お米をしっかり食べて、我が家のおつまみ&非常食の
かっぱえびせんを買って飛行機に乗りましたが、
機体トラブルで離陸が20分遅れ、
当然、フランクフルトでの到着も20分遅れ。
次のヴェネツィア便乗り継ぎには40分しかありません。
到着したフランクフルト空港のZターミナルから
長い通路を走りに走って、
一番で電車に乗って、
パスポートコントロールを超えて、
時間のかかる手荷物検査を通り、
Aターミナル50ゲートになんとかたどり着いたのは、〆切り数分前。
"GOOD JOB!"と係員に迎えられ、何とかヴェネツィア便に乗ることができました。
アルプスの日没を見て、

ヴェネツィア、マルコポーロ空港に到着。
ところが、、、荷物がいくら待っても出てきません。

人間は40分で走ることができても、
スーツケースは走ることができず、、、ということで
ロストバゲージのオフィスへ。
必死にやり取りをしてして、
翌日アパートに送ってもらえることなりました。
そして次の難関はACTV(ヴェネツィア水上交通)のチケット購入。
インフォメーションで場所を聞いて自販機に行ったものの、

使い方が全く分からず、、、
もう一度インフォメーションで営業所の場所を聞いて、、、
さらに営業所で「下の方のveniceconnectedを押すのよ」と聞いて、、

ようやく7日間のヴァポレット割引チケットを買うことができました。
ヴェネツィア行きの船乗り場横のプレセピオを見て、

Alilagunaのオレンジ線に乗り、
マドンナ・デッロルトの船着き場に到着。

そこから、夜のヴェネツィアを歩きます。
ムーア人の広場や

船用品の店の前を通って

幸か不幸かスーツケースをひくことなく楽々ちんでアパートに到着。
玄関の前で大家さんにお会いすることができました。